花日

花より男子の二次小説です。

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まやかし婚44

似合わない・・・。
こいつがうちの居間にいるってどう?
座布団に座っているの。
私の右隣で。

うちの居間が狭すぎるのか?
道明寺が大きすぎるのか?
牧野家4人と道明寺が入ると、この部屋が狭く感じる。

うちの家族は普段着より少しマシって感じの服装なのに、こいつはいつもと同じようなスーツ。

私はスーツだと気合い入っているみたいだし。
ベージュの膝までのトレーナーワンピに、黒のレギンス。
通勤着より少しカジュアルな服装だ。


そう、道明寺は我が家に結婚の挨拶をしにきた。
パパやママ、進には彼氏が来るってだけを伝えていたから。

「挨拶が遅れてしまい申し訳ございません。つくしさんと交際させて頂いてます、道明寺司と申します。」
こんな挨拶を道明寺がしだすから、お茶をふき出すかと思った。

つくしさんって言わなかった?
変なのっ。ププッ。

家族もそれは勿論同じで。
「どどどどど、道明寺って?」
「つくしの会社の?」
「創業者の一族の方ですか?」
から始まった質問はしばらく続いた。

きっと西田さんに、何度もレクチャーされたんだろうと簡単に想像できる。
私の家族の質問攻めにも日本語で正しく答えている。

こんな姿を見ると、こいつって良い所の坊ちゃんなんだって思えるんだよね。

実は、内緒だけど。
変な日本語を話しださないかを一番心配していた。
でも、完璧に話せている。



「僕は高校卒業してからニューヨークで大学に通いながら仕事を学んで・・・。」
道明寺の話をパパは 『ほけぇー』って顔をしながら聞いている。

僕だって、ププっ。
変すぎっ。

「つくしさんとは、僕が東京へ戻ってから仕事で知り合いました。いつも熱心に仕事を取り組まれているつくしさんの・・・」
道明寺の話をママは目からハートマークを出しながら聞いている。

ま、確かにイケメンだよね。
女って50歳前になっても女なんだ。
自分の母親のこんな姿って見たくないな。

「最近は仕事の関係でゴルフを始めたんです。僕には少し早いかなと思っていたのですが、これが楽しく・・・」
進は道明寺を尊敬の眼差しで見ている。

ゴルフしているんだ。
ゴルフっておっさんのイメージしかないよ。

自分の自己紹介に、私とのウソの馴れ初め、最近の自分の趣味のゴルフ。
正直、そんなの知らないって思うことだらけのことが道明寺の口からスラスラ出ている。

きっと西田さんの台本なんだ。
私が会長と社長に会う時も、西田さんに台本を作られるんだろうな。

もしかしたら、もう作られているのかもしれない。
嘘に嘘の上塗りして、その嘘に嘘を重ねて。

『嘘だらけなの。』って言えたらどれだけ良いんだろ?
離婚しても嘘だけが残るなんて。
誰にも言えないなんて。

この先、死ぬまでこの嘘から逃れられないなんて。
こんな思いに押し潰されそうだった。

涙が出てきそうになる。
体が震えてくる。
でも、今の私は泣くことすら出来ない。

嘘つきは泣くことすら許されないんだ。



ふって、隣の道明寺を見ると
いつの間にか道明寺は座布団を、私とは反対側に押しのけていた。
なんで、座布団がそんなところにあるの?

こんなことを思っていると、道明寺が私の手に自分の手を重ねた。
温かい大きな左手が私の両手を包む。

なに?ドキドキするじゃない。
こんなこと急にしないでよっ。

家族の前だよ。困るよ。
恥ずかしいでしょ。

道明寺の顔をこっそり見ると、ドキンってするほど優しい顔で私を見てきて
私の両手を包んでくれていた左手を離して、道明寺はパパとママの方へ姿勢を正した。

私の体の震えと溢れそうだった涙はおさまっていた。

そして、
「お父さんとお母さん、進くんにお願いがあります。」
こう言った後

「つくしさんと結婚させてください。」
道明寺は床に手を付いてパパとママ、進に頭を下げたんだ。

そして、西田さんに言われているだろうけど
「心配されるのは当然だと思います。でも、必ずつくしさんを幸せにします。いや、二人で幸せになります。大切にします。」
道明寺は、こんなことをパパとママ、進に言ったんだ。



なんでそんな嘘つくの?
私を幸せにって、なれるわけないじゃない。
2人で幸せって、一年後に離婚が決まっているんだよ。

私にとっては、お金の為の結婚なんだよ。
道明寺にとっては、親を騙すため、とりあえずの結婚なんでしょ。

少しだけごめんなさい、パパ。
パパの所為でもあるんだよ。
本当にごめんなさい、ママ。
ママには本当にごめんなさい。
本当にごめんね、進。
全部、嘘です。


これが、本当に好きな人であの憧れの先生みたいな人だったら?
どれだけ幸せだったんだろう。


こんなことを思いながら、
嘘でも私の家のお金の為に、挨拶までしにきてくれた道明寺に少しだけありがとうって思っていた。









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