花日

花より男子の二次小説です。

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まやかし婚45

俺はここで人間が住めるのか?
こんな疑問を抱くような小さい家に入った。

当たり前だが中まで狭かった。
でも、小さな家の中は清潔だった。

そのまた小さい部屋に牧野の家族と俺が入った。
一人辺りの面積が狭すぎるのに正直ビビった。
こんな所で何時間もいると酸欠になるんじゃね?って、ほどの小さな部屋だった。

その、俺の左隣に当たり前のように座った牧野。
部屋が狭く、このローテーブルまで小さいお陰で、
初めてこいつと肩や腕が触れるか触れねーかっつーくらいの近さで座ることになった。



初めての牧野との距離に急に俺の左半身が意識する。
西田にはバレていると思うが、俺はこいつを気に入っている。
いや、気になっているのかもしれねー。

まず、俺にムカつくほど媚びない。
俺と結婚できるっつーのに喜びもしない。

最初なんて、俺の事を完全無視していた程だ。
今も俺が話を理解できねーって判断すると、俺を無視して西田と話を進めるくらいの女だ。

俺は、日本語は話すのは得意じゃねーが理解は出来るっつーんだよっ!!
衛星(英才)教育をずっと受けていたんだぞ!

それなのに、牧野は
学生時代の俺たちがしでかしたことを完全に見下してムカつくほどの態度だった。
正直、あんな態度を女に取られたの初めてだった。
赤札は俺だけじゃねーっつーんだよ。
あいつらも一緒だったっつーんだよ。



その牧野だが、よく見ると
幼い顔立ちで色白、キメが細かい。透き通るような肌だ。
思わず頬に手が伸びそうになる。
目が大きくて、肩下までの髪の毛も黒くてサラサラで。

正直、俺のタイプってこんな奴なのかもって思った。
偶然とはいえ西田にしてはやるじゃねーかって思えた。

だから、こいつに対して俺の脱童貞の為の女だとか
金、払うんだからいいんじゃねーのだとか

結婚する前に、さっさといただこうだとか
服脱いで足を開けよ、ってことを想像したのも事実だ。

俺がこんな風に思っているのに、
牧野は、高校の時の担任のような奴と結婚するっつーのを決めている。
いや、夢見ている。

そんな会えるかどうかもわからねー奴に、大切に残していたバージンなんかいらねーだろ?
俺は、他の奴が使ったのは無理だからちょうどいいのに。
親の借金も払えねーんだろ?
有効利用しろよって思った―――――



が、俺の口から出た言葉は
『こんな貧相な女と結婚?運が尽きる。』だとか
『ナガレイシの俺様もこいつには勃たねーぜ。』とかだった。
なんで、俺はあんなこと言ったんだ?

それもこれも、全部!こいつが悪いんだっ!
初めての男は、憧れの先生みたいな人がいいとか言い出すからっ!!
こんなことを目をキラキラさせて、頬を上気させて言うんじゃねーよ。

会いもしねー、まだ会ってもねー、もしかすると会えるかどうかもわからねー奴の為に大切に残していたことに驚いたんだ。

そうだ。俺の中では衝撃だった。
そんな女がいるって事が。

女っていうのは、今の男より好条件な男に直ぐにのりかえられる生き物だって思っていた。
総二郎やあきらが誘うと、付いてくるのが女だと思っていた。
そして直ぐ、服を脱ぎ、腰を振る低能な奴らだって思っていた。
泣いてキレて、男に寄生して吸い尽くしたら次の男にいくっつーのが女の性だと思っていた。

俺や幼なじみのあいつらに群がってくる女たちのように―――――――。

それなのに、牧野は
将来の結婚相手にバージンを残していて
俺との一年の契約結婚を嫌がって、騙しの親族だけの結婚式すら完全に拒否してきた。

俺様とそこらの教師なら、俺に決まっているだろ!
俺、一択じゃねーのかよっ?

普通の女なら絶対に俺を選ぶだろ?
感動して泣いて喜ぶんじゃねーの?
ビジュアルも財産も地位も、俺以上の男なんて日本、いや世界のどこにもいねーだろっ!

それなのにっ!
こいつは俺よりもその会ったことも見たこともねー教師を選ぶ。
仮の結婚も男女関係なしって西田が言った途端に合意してきやがった。



でも、こんな牧野を見て
俺がガキだった頃に思っていたことを思い出したんだ。

俺を俺として見てくれる奴、
道明寺っつーバックグラウンドを一切見ない奴と結婚したい
そいつと、ガキの頃に憧れていた家族になりてーって思った頃が確かにあったと。



しばらくすると、肩や腕が触れそうなほど近くで座っている牧野が震えだした。
西田が心配していた事態が起こりだした。

確か西田は
『牧野さんは両親へ嘘をつくという事に、両親(良心)の癇癪(呵責)に耐えられないようになると思います。』
こんなことを言っていた。

両親への嘘が両親の癇癪ってなんだよ?
あいつは偉そうに俺にグタグタと抜かしてくるけど、肝心な時に使えねー。

あいつ、俺の秘書何年しているんだよっ!
あのポンコツ。

牧野のでけー目は、もう一度瞬きすれば零れるだろって思うほど涙でたくさんになっていた。

俺はこんな牧野の顔を見て、
なんとなく、こいつを守ってやりてーだとか、もう泣くなって思いながら
――――牧野の手に俺の手を重ねた。








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